ここのところ、比較的安定したレンズの作例紹介が多かったので、今回は、以前一度紹介した際、暴れ馬だという印象が強かったJupiter-12 35mm f2.8 の作例紹介をします。
前に紹介したときは、あまり無理な条件では撮っていませんでしたが、今回は無理な光の入力も試してみました。
あと、なるべくレンズの個性がわかるように、基本的に絞りも開放(f2.8)で撮りました。
なので、今回は記載がないものは開放です。
正直、前回撮ったときは単なるダメレンズだと思っていましたが、今回撮ってみて、とにかく撮影することを楽しめるレンズだと感じました。
改めて暴れ馬っぷりを実感した反面、撮影者からの入力次第でかなりいろんな顔を見せてくれるレンズだと思いました。
そして、これだけ暴れるにも関わらず、色自体は渋くてなんとなく切ない感じに傾いていて、ほんとうに生き物のようなレンズだと感じました。
隣のビルの窓からの強力な反射を少し入れてみました。やはり、強い光が入ってるエリアはコントラストが落ち、よく見るとゴーストもでています。
まずは開放(f2.8) 中心はしっかりしてますが、四隅はゆるゆるになり光量も落ちます。
次にf5.6、だいぶ安定してきましたね。
御徒町駅付近のガード下。
このようなアンダー気味な写真を撮ると何とも趣深い。
今度は逆光気味な所で絞りちがいのトライアルをしてみます。
まずはf2.8。
次にf5.6。
最後にf8。
中心はあまりおおきな違いはみつかりませんが、周辺部のユルさに差がるようです。
やや逆光で建物の雨樋をとりましたが、激しく破綻してます。かなり紫ですね。
時々こういった暴れっぷりをみせるレンズです。
ただでさえ不思議な雰囲気のレンズですが、これは透明ビニール越しに撮ったため、さらに夢の中っぽい写りになってます。
路地裏から撮った雑居ビルの壁は、何度も改修が行われてごちゃごちゃになってます。このレンズは、こういったところの雰囲気の切り取りもなかなか絶妙だと思います。
不忍池で順光、逆光いろいろ撮りました。 条件によってフレアやゴーストが派手に炸裂します。
紅葉、華やかな雰囲気には撮れませんが、これもなかなか渋くて趣深い描写です。
陽が傾きかけた上野公園。
晩秋の切ない雰囲気の切り取りもなかなか良い気がします。
先ほどの紅葉もそうでしたが、なぜかこのレンズは和風なものの撮影には向いているのかも。
最後に上野公園から京浜東北線を撮りました。
何故かネガフィルムっぽい雰囲気になってしまう。