CONTAX T用 Carl Zeiss Sonnar T* 38mm F2.8の4回目、今回はスタジオでポートレート撮影です。
前回紹介したRollei SL35用Sonnar85mmと合わせる準広角として、一般的にはRollei SL35用Distagon35mmなんでしょうが、ここはあえて悪役Sonnar兄弟で行ってほしいと思い、このレンズを選びました。
おそらく現役時代(CONTAX Tに搭載されていた時代)、このレンズはまさかスタジオポートレートで使用されるとは思っていなかったことでしょう。
前回同様モデルをしていただいたのは、さくら まりさん。
ちなみに前回の記事はこちら
https://lens-baryan.com/044-sonnar-85-28/
私の選んだSonnarの雰囲気の衣装に、ポージングや表情を少しずつマッチさせてきてくれて、かなり満足の撮影でした。また撮らせてもらいたいです。
このレンズのスタジオポートレートでの感想としては、条件によって色収差が目立つのとあまり寄れないということが気にかかりましたが、発色や階調、シャープネスのレベルは高いと思いました。
こちらも何パターンかライティングをやってみました。
まずはモデルさんの左斜め前にアンブレラ二灯を縦に配置。
この写真はf5.6で撮ってますので、けっこうかっちりとしてますが、硬すぎる感はないと思います。
次は座りポーズでモデルさんの左側からアンブレラ1灯。
こちらは開放(f2.8)ですが、ちょっとふわっとした感じです。
あと、半逆光っぽい感じになっているので、やや色収差が目立ちます。
こちらはf8で撮ってみました。
このあたりの、シャープさと色の階調の良さのバランスが気に入っています。
こちらはモデルさんから見て右斜め前にアンブレラを2灯。
こちらはf5.6で撮っていますが、シャープさとしっとり感のバランスはこの辺が良さそう。
少し柔らかいイメージにしたかったので、f4にしました。
f5.6でもありましたが、少し色収差が目立ってきました
こちらは、前回のSonnar85mmでやったライティングと同じで、モデルさんの両サイドよりやや後ろから、白のバックに向けてアンブレラを左右2灯ずつ縦に並べ、逆光状態にし、カメラの後ろに白カポックをおいて、アンブレラ、バック、カポックと跳ね返った光をモデルさんの正面のライティングにしているといったセット。
f5.6で撮っていますが、ふわふわ感は出てません。
ただ逆光なので色収差はけっこう目立ちますね。
最後は、1灯を天井にバウンスさせて真上から撮影。開放で撮っております。
しっとりとした雰囲気はこのレンズの得意なところかも。
寂しそうな表情とリンクした空気感が写し込まれていて、実はわたし的に、このあたりのシーンがモデルさんの心とこのレンズの味とのつながりが一番強かったと感じていて、すごく気持ちよく撮影できました。